花色~あなたの好きなお花屋さんになりたい~

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カテゴリ:おでかけ( 3 )

僕にとってのそんな景色。


こんばんは!
吹田千里丘のお花屋さん「花色」の弟の方です。
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過去の自分に立ち戻って何かを考えることは出来ないけれど、
幼いころに見た景色と今見ている同じ景色を重ね合わせることで一本の糸を感じることは出来る。
昔と今の自分を結ぶその糸は、自分の思惑を超えて、でも分かちがたく伸びている。
そしてそれをよすがのようしてに自分の立っている場所を知る。
この景色を始めて見た時のあの気持ちからそれほど遠い所に来たわけではない、と。
僕にとってのそんな景色が比叡山にある。

僕が掛け算や割り算を学校で習い、
南国少年パプワくん(特に犬のチャッピー)にハマっていた頃、
膝が悪い母は、それでもぼくを連れて出かけるのが好きだった。
買い物は勿論のこと、小さな公園に行っては朝早くから作った手製のお弁当を食べたり、
近くの市民体育館でバドミントンをしたり、たこせんやらを食べ歩いたりそんなことをよくしていた記憶がある。

なにがきっかけだったかは覚えていないけど、
突然「比叡山に行こう!!」と言う母に戸惑ったのを覚えている。
僕の母は人一倍活力のある人だし(動き回っているかぶっ倒れているかそれくらい身を削っていた)
周りを見渡しても母くらい若い母はいなかったが(32歳くらいだった、髪はロングで金色)
膝を壊していることを知っていた僕はやはり心配になった。
しかし一度言いだしたら聞かない母の事。次の日2人で比叡山へ。

京都駅から湖西線に乗り継ぎ、比叡山坂本駅に着く。
改札を抜けるとカラフルな登山服で少し着ぶくれした人たちが目につくようになった。
比叡山までは単調にまっすぐと伸びたゆるやかな坂道が続き、通りの両側には神社や古民家などの古き厳かな建物が立ち並ぶ。
重々しい瓦が鱗のように重なり合う方形屋根、姿勢を正さずにはくぐれない威張った門。
古い日本の色が染み込んでいる景色の中、京阪電車の改札が見えてくる。
駅の外壁は石造りで枯れた蔦が不吉な呪いのように絡みついていて、その上を覆う屋根と柱は鳥居を近代的なモニュメントにしたようだ。
僕は一目電車を見ようと、改札の外からつま先立ちになって電車を待っていたが、次の到着まで20分もあった。
「あとで乗ってみようか」と僕の手を引っ張り母が言った。
(結局慣れない山登りで絞った雑巾のようにくたくたになっていた僕らはバスで別の駅に行ってしまったが)
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道に沿って植えられたモミジの中には、少し気の急いて秋を運ぶ者がいる。
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秋風に揺れる葉は、ふと、僕を向く。
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日吉大社の人参色の大きな鳥居が見えてくると道路は山を迂回して急激に左に折れていく。
僕たちは石段の近くに案内板を見つけると、延暦寺表参道への道筋を確認した。
事前に調べた情報によると2時間ほど登らなければいけないらしい。
比叡山高校と日吉大社に挟まれた山道へと続くゆったりとした石段を登っていく。
まだ山道にも入っていないのに、その先の見えない急な階段に不安になる。
調子の悪い時にはマンションの階段を上るだけで膝が痛むのだ。
引き返すなら今しかないと僕は手のひらの汗を握りしめた。
「この辺を散歩するだけでも楽しいね」と僕は目を合わせないようにして言う。
「そうだね、でもやっぱり上からの景色を見なきゃね」と母は運ぶ足を止めずに言った。
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モミジが見せる色の鮮やかな移ろいは老いることを表している、だから侘びしい。
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山の水に限らず、山で飲む水は美味しい。
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こういった小さな湧水が集まって、小川になり、山を下り、琵琶湖に流れ込む。
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舗装された道が埋もれるようにしてなくなり、山道へと変わった。
体を動かすことが好きな僕と母の足取りは始めの方こそは軽く、山野草や樹々に目を留めては、
意見を交換し合っていたけれど、20分もしない内に黙々と足を運ぶだけになる。
手を突かなければ超えられないような段差があると不安がこみあげてくる。
そんな心配も杞憂かと思うほど、母は下ってくる人とすれ違う時に笑顔で一礼する。
しばらく登っていると木に囲まれた山道から左手にひょっこりと望む琵琶湖と大津の街並み。
僕と母はその景色をなにかの勲章のように目に留めた。
そこから少し行くと手に収まりそうなお地蔵さんと屋根とベンチのある憩いの場があったので、
呼吸を整えるために足を止める。水筒に入れた水を口に含むと山の澄んだ空気の味がして、美味しい。
母は登山をしている人が人並みに疲れているといった様子で、
疲労具合を確かめるように、足を振ったり、屈伸すると「よし、行こう」と言う。
口にこそ出さないが、膝が痛むのは見ていて伝わる。

山に登っていると一つの事実に気付く。
そこには雑音がないのだ、鳥が飛び立ったように枝のきしむ音、枯葉の散る音、
湧水の石を打つ音、そして自らの息遣いとしめった落ち葉や土を踏む音。
そうして雑音がなくなると、僕らは内の声に耳を澄ませる。

何ども踏まれた雪のように濁った雲が広がり、急に山はよそよそしくなる。
山道は迎え入れるときは優しく、登るほどに険しさを増していくように思えた。
母の踏ん張る足が深くなり、足場の悪い険しい段差へ足を持ち上げるのが一呼吸分遅くなる。
踏ん張りが効かなくなって、足を滑らせるようになった。
僕らはそれでもリズムを崩さずに、よっこいしょ、あともうちょっとと声を掛け合った。
下ってきた登山者とすれ違う回数が増えてきた。
彼らの足取りが一様に軽いことでもうすぐだということがわかる。
実際にそこから十五分ほど登っていくと、上の方からがやがやと声がする。
すると間もなく大きな旅館のような建物が見えてきて(実際には宿坊だが)、
僕らは「よしっ!」と力強くこぶしを握った。

僕はすごくほっとしたのを覚えている、
山を下りなければいけないことを忘れて(バスが出ているなんて知らなかった)
不思議とそのあとのことはあまり覚えていなくて、延暦寺がどんな建物だったのか記憶もあまりない。
母が早起きして作った卵焼き、甘辛く炒められたゴボウ、マヨネーズで和えた人参、塩茹でされたエビ、
煮豆、プチトマト、おにぎりの入った色鮮やかで美味しい二段弁当、
人を飲み込むほど大きな鐘などがスクリーンに映し出された映像のように断片的に浮かんできて、
そこから記憶は山を下るバスに揺られているところへと飛んでいく。

後部座席に座ると、エンジンの心地よい振動と疲れですぐに眠くなる。
うとうとする意識の中、横を向くと母は窓の外の景色を眺め、なにかを考えているのがわかった。
少しして母は視線を僕に落とすと言った。
「ごめんね、こんなにしんどいところに付き合わせちゃって」
僕は戸惑う、気を遣いすぎる母はたまにこういうことを言う。
少し間があって、宙に浮いている言葉を探すようにして僕は言った。
「こういうこともみんな思い出になるんだよ」
そしてバスは心地よい振動をさせて、ぼくらを運んで行った。

自分で言った言葉なのに、最近になってようやくその意味を紐解いた気がする。
思い出にはすべてをふさわしくさせるものがあると。
僕はいまでもあのときの感情をその細部まで手でなぞることが出来るし、
たった一度見た景色を僕は懐かしい田舎に帰るように訪れることが出来た。


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by hanairo8716 | 2017-11-29 19:01 | おでかけ

金閣寺見て「めっちゃ金」って言うのやめません?


こんにちは〜
吹田千里丘のお花屋さん「花色」です001.gif
この前めっちゃホリディやったので鹿苑寺巡りました。

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澄み渡る空と山の緑、そして金閣を鏡のように映し出す
鏡湖池←「きょうこち」と読みます、テストに出るので気をつけましょう…

その鏡湖池に浮かぶ島は「葦原島」と呼ばれ、
日本列島を表現して造られた島と言われています。
横から見るぶんにはわかりませんけどね…

他にもいくつかの浮島があり、
室町期に全国各地の大名から義満さんに奉納された大石奇石が配置されています。
贈り物に困ったから「石」をプレゼントしたわけではなく、
全国各地の石を一望することで、
「全国を手中に収めている」という意思表示を可能にするわけです、石なだけに004.gif

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方形屋根の頂点から鳳凰が飛び立つ様
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陸舟の松
名前の通り帆掛け船の形を模しており、
舳先は西を向いてるそうで、
西方浄土に向かうという発想で仕立て上げられているそうです、
五葉松の枝ぶりは立派で、
その重みと迫力は「こりゃ見事なものだ、うんうん」となります。
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写真が傾いていてすみません…
この舎利殿から突き出ている部分を「漱清」と云います。
三島由紀夫の「金閣寺」に出てくる学僧は、
「金閣の肝をなしているのはこの漱清であり、艶かしくその神秘を放出する場所である」みたいなことを言っていたよう気がします。
学のないことを言えば、
ドッキリの舞台装置にもみえますね、
床が割れて、テッテレ〜みたいなね004.gif
義満さん激怒で、お蔵入りですよ…
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こんな感じですね、
天気にも恵まれて良き観光ができました。
観光は全部徒歩やったんで、
歩き疲れました…
金閣寺→北野天満宮→二条城と行ったんですけど、
二条城は時間がなかったので写真撮れなかったです。
狩野探幽の屏風絵とか
当時日本にいなかった虎を描いた屏風絵とかね
(当時虎は3匹子供を産むとそのうち1匹はヒョウを産むと考えられていたらしい)、
細かいところまで意匠を凝らした造りでとても面白かったです。
次はどこに行きましょうかね!

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by hanairo8716 | 2017-03-02 19:11 | おでかけ

参拝

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神前に進み、
気をつけをする様に姿勢を正すおじいさん。
くすんだヨモギ色のニット帽をはぎ取るように脱いで
小脇に抱え何がしかの小銭を投げ入れると、
ゆっくりとした動きで2回深くあたまを下げる。
鈍い音のする力をこめた拍手を2回打ち、
ぎゅっと目を瞑り拝む。
芽吹きを観測するように長い時間をかける。
1つ大きく息を吐くと、拝殿の方に顔をあげてなにかを確認するように大きく頷く、
小脇に抱えていたヨモギ色のニット帽を左手に握りしめるように持ち替えるともう一度深く頭を下げて、
神社を後にした。

この前、北野天満宮に行ってきました!
上のはその時の一コマなんですけど、
改めて感謝やったり誰かを想う気持ちやったり自分を見つめ直す機会としてこういう時間は大切やなと思ったんです、
自分だけを見つめるには長い時間をかけておこなわれるおじいさんの拝礼にそう感じました。

ただね、おじいさんの着てたカーキ色のジャンパーの背中に刺繍されたこれ↓
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これがずっと僕にガン飛ばしてました。

上の写真は金閣です、
鹿苑寺、北野天満宮、二条城と行きましたよ〜

written by sakito

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by hanairo8716 | 2017-02-22 22:30 | おでかけ